この記事は、3度に分けてお送りしている北鎌尾根登攀記の完結編です
北鎌平~槍ヶ岳山頂~下山
の記録をお届けします
前回の記事はこちらです
こんにちは、山男ブロガーのみずきです
今回で北鎌の登攀記は完結です!
簡易的な概念図等も載せています
また前回の記事にも載せましたが、僕のYAMAPも参考にしてみてください
風雨の北鎌尾根(槍ヶ岳) / みずきさんの槍ヶ岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
目次
概念図
今回気になった点を簡易的にまとめました
作図が上手くないので、使う場合はご留意を
参考程度に見てもらえると嬉しいです
槍ヶ岳北鎌尾根概念図
大槍登攀概念図
北鎌平〜大槍取り付き
ルーファイに不安があるので、朝は明るくなってから行動します
昨日の大雨から一転、快晴で気持ちの良い朝です✨
暗いうちに出てみると、星空と槍ヶ岳が眼前に
日の出を眺め、先へ進みます
まずは、北鎌平眼前の岩を巻きます
我々は仙丈沢側から巻いてコルに出て、
その後天井沢側にある斜面を這い上がりました
写真右側から巻きました
天井沢側から登る際の斜面が脆くて悪いです(上記写真の左正面)
もしかしたら、他に良い道があるのかもしれません
ひとまずハイマツ等を使いながら登りました
斜面を乗り越すと、レリーフのある広い場所に出ます
ここも幕営可能です
ここから先は困難もなく、大きな岩の重なった広い稜線を辿ります
気持ちの良い区間です
振り返ると、昨日見えなかった絶景が
槍の取り付きは、一般に天井沢側から登ります
カニハサミの様な岩を目指して進みます
結構近くに行くまでカニは見えません
それまでは忠実に稜線をたどります
スカイラインにピョコっと出るハサミが分かるでしょうか
厳密にはカニハサミまで行かず
行く途中に、槍の基部で良い階段状にぶつかります
我々が取り付いた箇所は平坦でしたので、少し休憩を取れました
写真のようにケルンがある場合も
大槍登攀
北鎌尾根の仕上げ、大槍の登攀です!
遠目に見えていた槍ヶ岳が手の届く箇所に
尖って見えた岩峰も、近くで見ると巨大な岩の塊に感じます
難所は2箇所、どちらも傾斜の強いチムニーです
その他は基本、優しい階段状の岩登りです
超初心者がいる、かなりの重荷
等の事項がない限り、ロープの必要性は感じないのではないでしょうか
全体的に斜度はありますが、高度感は少なめです
まず、取り付きから階段状の岩を登ります
凹角を越えると、一つ目の難所が現れます
一つ目のチムニーです
ハーケンがあり、スリングが垂れていたりします
岩が比較的しっかりしており、手もあるのですが
角度と高度感があります
ジャミングを決めながら、豪快に登りました
アドレナリンの出る瞬間です!
ちなみに、登り切った場所によい岩があり
スリングを用いて確保支点が作れます
1つ目のチムニーを越えるとほどなくして
2つ目のチムニーが現れます
こちらも、ハーケンなどがあるので
不安な場合はロープを使いやすいです
1つ目と違い高度感が少ないく、気持ち的に易しいです
これを越えるといよいよ山頂は目前です!
こちらもフリーで大丈夫です
仲間がスイスイとフォローしてきます
最後の詰め、山頂直下です!
チムニーを越えたらもう目と鼻の先!
階段状の易しい岩です
登山者さんが見えます、もうそこ!
鳥居の横にいきなり飛び出ます
いきなりすぎて驚きます
穂先に乗り上げる仲間を見届けて
いえーい
久しぶりの穂先です
下山(槍〜上高地)
下山は槍沢を通ります
その前に,槍ヶ岳山荘で一休み
一つ一つ顔が違う、槍ヶ岳クッキーが可愛いです
食べるの勿体無いけど、美味しいです
あとは、上高地までめちゃくちゃ長い下山
20キロくらい歩くので、気を抜かずにいきましょう
ちなみに、上高地の最終バスは17:30です
19:00に釜トンネルが閉鎖するので
その前にはタクシーも居なくなります
呼んでもタクシーは来てくれません
なので、釜トンネル入り口まで歩いて、
・・・もタクシーは来てくれません!
松本から遠すぎるので断られます。。。
下山が遅くなった場合は、上高地から沢渡まで歩きになります
殺生ヒュッテやババ平、横尾などでもう一泊出来ると余裕が生まれますね
北鎌へ挑戦する人に
無雪期北鎌尾根は決して高難度のルートではないと思います
うまく歩けばロープも使わずに済みます
ただし、
岩登りや沢登り、雪山などのバリエーション経験がある人にとってはそこまで難しくない
という話です
僕の記事を含めて、山行記録は沢山ありますが
それらを鵜呑みにして安易な気持ちで突っ込んで良いルートではないです
事故も沢山起きてますので。。。
鎖もハシゴも目印もない長く険しい岩のルートが終始続く、という事を念頭に計画を立ててください
踏み跡がたくさんあり、間違えると進退窮まる・・・
掴む岩は基本的に動く・・・
北鎌とはそんな場所です
不安な方はバリエーション山行の経験を積んでから
もしくは経験者と行くのが良いです
周到な計画、トレーニング、準備を積み
安全で楽しい北鎌尾根山行に行ってきてください✨
最後に
憧れる人の多い北鎌尾根
伝説のクライマー達が通った稜線に自分の足で踏み入る
なんとも感慨深い体験ができました
雨という悪いコンディションの中でも無事完登出来たのは仲間が居てくれたおかげです
終始緊張感に溢れ、寒く過酷でしたが
それと同時に充実した山行になりました!
次は天気の良い日に仲間を連れて
再び訪れたいなと思う良きルートでした