【登山記録】2024GWの毛勝山、毛勝三山縦走

富山県にある毛勝山の山行記録です

残雪期に毛勝山、釜谷山、猫又山を縦走してきました

その際の記録です

こんにちは、山男ブロガーのみずきです

今回は山行記録を書きます

残雪登山は寒さも和らぎ、新緑と雪のコントラストが美しいです

今回登ってきたのは富山県にある毛勝山です

日本200名山に選定されている山です

毛勝山・毛勝三山

毛勝山は富山県にある双耳峰で、日本200名山に選定されています

北アルプスの北端に位置する山の一つで、剱岳北方稜線の一座でもあります

標高は2414.5mで、主峰は北峰です

北峰は広くなだらかな山頂です

山頂からは富山湾、剱岳などが望め、白山も遠望できます

かつては登山道がなく、毛勝谷を残雪期に登るルートが一般的でした

残雪限定、斜度50度・標高差1000mにもなる毛勝谷は生半可なルートではなく、

毛勝山の難易度は200名山の中でも随一だったと聞きます

現在は西北尾根ルートが開拓され、無雪期の登山道として利用できます

残雪期に登る場合は、今回僕が辿ったクラシックルートが一般的です

スキーで滑る人もいますが、狭く急な毛勝谷はあまり一般向けじゃない気がします・・・

滑るなら猫又谷の方が楽しいでしょう

毛勝三山と呼ばれるのは、毛勝山、釜谷山、猫又山の三山です

三山の最高峰は釜谷山で2415mです(毛勝山より少しだけ高い)

毛勝山と猫又山は、それぞれに登山道があるのですが

中間に位置する釜谷山は登山道がありません!

なので、釜谷山に登る・毛勝三山を縦走するというチャンスは残雪期しかないです

夏はおそらく、藪漕ぎです

アクセス・駐車場

除雪状況にもよりますが、片貝第4発電所まで車で入れることが多いようです

公共の交通機関はタクシーくらいしかないので、マイカー利用が基本です

第4発電所付近には、10台ほど停められる砂利駐車場があります

山岳会の仲間曰く、無雪期は片貝山荘まで車で入れるそうです

魚津市内から40分ほどです

Day1

片貝山荘 – 毛勝谷・大明神谷出合い

片貝山荘は無人の施設ですが、結構立派です

使用するには魚津市に連絡する必要があるようです

今回はまだ受け付けてないとのことでした、残念

前日入りで、登山口付近にテントを張ります

その後は、出合い付近まで偵察に

阿部木谷のルート取りなんかを確認に行きます

しばらくは沢沿いの残雪を繋ぎながら進みます

左岸をひたすら歩きました

沢が雪で覆われてくる頃にスノーブリッジが出たが、怖くてもじもじ

ロープを出し、相方のNさんに行ってもらうことに

見た目怖いけど、全然問題ないとのこと

そのままフォローさせてもらう、確かにしっかりしてました

めちゃくちゃ怖いけどね!

その先は雪も多くなり、水の音がなくなります

毛勝谷と大明神沢の出合い付近に先行の2名がいました

スノーブリッジ付近で拾った落とし物を2人に渡して、雑談

彼らも縦走で、今日はこの辺に張るとのことです

谷間なので落石と雪崩に気をつけて!

僕らは登山口へ引き上げます

明日のルート取りも分かったので、収穫有り!

フキノトウを狩りながら下山、幕営地は春の陽気、水も豊富で心地よいです

フキノトウは軽く煮て

Day2

登山口 – 毛勝谷 – 毛勝山頂

05:00に発、出合いまでは偵察のおかげでスムーズです

荷物が少し重いけど、休みながら歩きます

下で収穫したコゴミが今晩のご馳走!

出合いから先は未知の領域

毛勝谷に入ると、陽が差して来たのでサングラスをして日焼け止めを塗り直します

登っていると斜度は感じないけど、振り返るとそこそこあります

谷の左右からデブリ、落石が出ています

谷の中央、デブリの高い部分を歩きます

大きな雪崩はあらかた落ち切った様子ですが、

気温上昇による小さな雪崩が頻発します

雪崩と落石の音が絶えません

小休止中に、スノーボールが転がってきました

谷が三俣に分かれる付近に差し掛かります

ここから先は谷幅が狭まり、斜度も上がります

毛勝谷の革新部です

真ん中が登るルート

左右は通常ルートにあらず

真ん中ルートはさらに上部で、山頂へのダイレクトルンゼ・ボーサマのコルへのルートに分かれます

ここから1000mの標高差を1kmの距離で登ります

地形図から読み取る斜度は、最大50度を超えています

休憩もままならない斜面なので、三俣の部分でしっかり息を整えます

仲間と距離が空く事を想定し、ボーサマのコルで落ち合うことに

お互い無事で会いましょう

2人ともよく岩壁やら氷壁に張り付いているので、

50度くらいの雪壁は問題ありません

ただここは、距離が長いです

緩んだ雪で滑らないよう、確実にステップを切りながら登ります

コルの先に広がる青空が美しいです

いくら登っても近づかないコルへ、一歩一歩進みます

いよいよコルに乗り上げます

視界が開け、剱岳の勇姿が眼前に

先行のパーティが山頂から帰ってきます

もう少し稜線を行って張るとのこと

我々はコルに張ることに

Nさんを待ちつつ風除けブロックを積み、テント場を整えます

テントを張り終える頃にNさん到着

テント場

毛勝山のコル部分、ボーサマのコルと呼ばれる場所が適地です

平坦で広く、5〜6張りはいけそうです

毛勝北峰の山頂も広いので張れそうです

夜は谷風が強く吹いたので、テントをしっかり張っていて良かったです

雷鳥さん達の住処らしく、たくさん居ました

丸くてかわゆい

夕日の沈む富山湾を眺めながら夜を迎えます

夕食のラーメン、コゴミが美味しい

Day3

毛勝山 – 釜谷山

05:00に行動を開始します

まずは軽装で毛勝北峰に到着

金色の朝日を浴びながら過ごします

テント一式を背負い、縦走へ向かいます

毛勝南峰は特に何もなく

夏は樹林なのかな?という感じです

まずは釜谷山を目指して雪稜を行きます

基本は雪庇を使って進みます

雪庇は下部までしっかりしており、怖さはありません

クラックに気を付けながら歩きます

早朝は締まった雪が歩きやすいです

山頂手前で雪が切れ、岩峰が出ました

急峻な雪壁を巻くか、藪を漕ぐか

先行のパーティはロープを出して、雪壁を巻いていましたが

我々はロープを出さず、藪を突破

ホールド多彩で良かったです

巻いた先で、先行パーティに追いつき話します

この後も、猫又山まで付かず離れず歩きました

釜谷山の山頂は狭いです

登山道の無い秘境のピーク

地元の方々が持ってきたのか、立派な山頂看板がありました

釜谷山 – 猫又山

釜谷から先は急な下り

雪壁を降ります

クラックが口を開けているので、ルート取りを慎重に

雪壁が終わっても、コルまで斜度は強いです

僕は油断して滑りました

停止技術が身についていて良かったです

落ちても、コルに行くだけですが肝を冷やしました

猫又山への登りは快適ですが、2箇所ほど核心があります

まず最初は10m程の雪壁です

80度強と言ったところですが、難しくはないです

念の為、ピッケル2本でステップを切りながら登りました

雪壁が終わると再び快適

最後に、山頂直下の岩峰が現れます、猫岩と言うらしいです

どうしたものか、と思っていたら

岩の右側に夏道らしき物を発見

人工的に切り開かれており、快適です

猫岩を越え、再び先行パーティと会話します

最後の登りは彼らに譲り、ゆっくり猫又山へ登頂

最後のピークを噛み締めます

猫又山 – 猫又谷 – 片貝山荘

山頂を後に、猫又谷へ向かう尾根を下山して行きます

何も考えずに降りていくと、下りを間違えます

広い雪原を行きたいところですが、一度右手の藪を突っ切ります

藪を突っ切り、正しい尾根を進みます

右手に猫又谷が広がっているので

斜度の緩む適当な所から谷に入ります

猫又谷の下り始めは斜度があるので慣れるまではゆっくり行きます

スキーだったら気持ち良いだろうな、と言う感じの谷です

毛勝谷と比べて、綺麗な広い谷です

グリゼードで下ります

谷の下部はデブリで歩きにくいです

後は特筆することもない沢沿いの下りです

薮がうるさいのと長いのが辛いところ

1箇所だけ、綱渡りのようなスノーブリッジがありました

コゴミやフキノトウを採りながら、とてつもなく長い林道を歩いて車に戻ります

山行を終えて

今回は毛勝三山という、渋い山歩きをしてきました

GWの北アルプスですが、すれ違った人は10人以下です

アプローチも悪く、小屋もない険しい道のりです

ですが、その分手付かずの自然と静かな山歩きが楽しめます

また、本コースは剱岳の展望が最高です!

一緒になったパーティの方々は、剱岳の眺望が良いコースだから来た、と言っていました

難しいクライミングはありませんが

終始バリエーションルートで、山の総合力が必要です

誰にでもオススメとは言えませんが、

ある程度実力のある人にはオススメしたいコースです

新緑と残雪が美しく

眼前に広がる剱岳、眼下に広がる富山湾

春らしく美しい山旅が出来ました

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