この記事は、西穂山荘から槍ヶ岳へ縦走をした記録を掲載しています
長くなるので3つほどに分けて紹介します!
まずこの記事では上高地〜西穂高〜奥穂高への記録です
登山者憧れのジャンダルム縦走
危険箇所や注意点などを混えながら、山行記録を載せています!
僕のYAMAPでも紹介しています
軌跡等はこちらを参考にしてください
西穂高〜槍ヶ岳 3泊4日テント / みずきさんの槍ヶ岳・ジャンダルム・間ノ岳(岐阜県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
こんにちは、山男ブロガーのみずきです
少し前に西穂から槍ヶ岳へ縦走して来ました
天気に恵まれ、長年憧れていたルートを達成できたのは幸運でした
一般道の難関ルートを達成したので、これからはバリエーションルートを広げていきたいですね
目次
旅の行程
今回の行程は3泊4日のテントで行きました
- 1日目:上高地〜西穂山荘
- 2日目:西穂山荘〜北穂高小屋
- 3日目:北穂高小屋〜ババ平
- 4日目:ババ平〜上高地
ジャンダルムと大キレットをまとめて行く贅沢な行程です✨
【注意】西穂高〜奥穂高(ジャンダルム)縦走について
登山者憧れの「ジャンダルム」
西穂 – 奥穂の縦走路は北アルプスでも屈指の難ルートです!
登山地図でも波線で記載され、上級者向けです
ときどき鎖がありますが、ハシゴはありません
他の登山道ならハシゴが架かるような岩壁でも、自分で見定めて降りる箇所があります
浮石も多く、落石の危険が一般道より遥かに高いです
ペイントが薄くなっている箇所もあります
ペイントに頼らず自分で岩陵のルーファイを行う能力が求められます
途中に、岳沢小屋方向へ降りるルートもあるのですが
整備がほとんどされておらず、撤退ルートとして使うことは難しいです
こちらから抜けようとして遭難している事例もあります
西穂 – 奥穂の縦走路は、
「技術・体力・気力」
が揃って初めて挑戦できるルートです
バリエーション登山や岩登りを経験していない人は
今まで歩いたルートとは全く違うルートになると思っておくと良いです
難易度
西穂〜奥穂縦走の難易度は上級者向けです
ロープワークは必要ないですが、岩場の基本ができていないと厳しいです
- 安定した岩場の通過能力(3点支持など)
- 岩陵帯のルートファインド
- 長時間歩行に耐える体力・気力
これらの要素が重要です💪
体力があれば気力もついて来ます
登りの技術はボルダリングジムなどでも鍛えられます
ジムで練習する際は降りる練習もしてみましょう!
登るのは簡単でも、降りるとなると結構難しいですよ
ちなみに僕は、オートビレイを使って15mほどの壁をクライムダウンして練習しました
人の少ない時にやってみてください
装備
特別な装備は必要ありません
岩陵歩きに適したシューズ
ヘルメット、グローブなどがあればOKです
あとは一般的な登山装備を持ちましょう
僕はテント装備で行きましたが、小屋泊で行くのも手です
体力には自信がありますが、流石に3泊のテント装備だと重さを感じましたね 笑
水4ℓは持ちすぎだったと思っています。。。
シューズに関しては個人の好みでいいと思うのですが
フリクションの良い靴がおすすめです
よく見かけるのは、LA SPORTIVAのシューズですね
見た目もカッコ良いです✨
ただ、僕には足型が合いません😭
なので僕は、モンベルの「アルパインクルーザー2000」を愛用しています
モンベル独自のソール「トレールグリッパー」が優秀です!
岩に吸い付くようなフリクションがあります
アルパイン用の靴ではないのですが信頼して履ける靴です
負荷のかかる山行が多いので、レザーのモデルを使用しています
山行記録
ここからは、山行記録と各ポイントの紹介をします
上高地〜西穂山荘
初日は早朝のバスに乗り、新宿から平湯経由で上高地に入りました
登山を開始したのは13時ころ
上高地バスターミナルで水を汲み、西穂山荘目指して登ります
ちなみに山荘では水が有料になるので、上高地から担ぎ上げる手もあります
僕は7ℓ持ち上げました 笑
バスターミナルから梓川を越え、西穂高登山口に着きます
しばらくなだらかに登り、途中から斜度が増して来ます
焼岳との合流点の前に最終水場があります
稜線に乗ったら山荘はもう少し、頑張りましょう
西穂山荘
西穂山荘は通年営業の山小屋です
ロープウェイで新穂高から来る人が多いです
テント1張り¥2,000
テント場は2つのエリアがあり、合わせて40張りほどは行けそうです
地面は土でペグが効き、寝心地も良いです
トイレは山荘裏にありテント場からも近いです
テントの人は水が¥200/ℓでした
山荘裏から笠ヶ岳や日の入りが見れます
西穂山荘〜西穂高岳
ブラックスタートで西穂を目指します
4時半頃にテント場を発ちました
ご来光目当ての方々もちらほら
独標直下になると岩場になって来ます
短い岩場ですが鎖も出てきます
岩場初心者のデビュー戦に良さそうです
薄明かりの中、独標到着です
独標から先は、西穂高へ進みます
いきなり結構な降りで驚きました
痩せた岩場を降りて登っての繰り返しです
鎖の最上部がスリングなのは、落雷対策・・・?
ピラミッドピーク、チャンピオンピークを超えて西穂高岳に登頂します!
何気に初登頂なので嬉しいです☺️
完全に夜が明け、日に輝く稜線が美しいです
いよいよ縦走ルートへの挑戦です!
西穂高岳〜赤岩岳
西穂から先は、いきなり絶壁のクライムダウンから始まります
↓↓これを降りてきました
下が見えないような崖を降りていくので結構ビビります!
降りてみると案外難しくはないのですが、高度感があります
慎重に行きましょう
コルに降りた後は、痩せた尾根を進みます
目立った難所はないですが、ミスが許されない稜線です
慎重に行きましょう
岩の重なったようなピークが赤岩岳です
看板などは無いです
赤岩岳〜間ノ岳
赤岩岳と間ノ岳の間は特に浮石が多く、落石多発地帯です!
飛騨側に巻きながら、コルを通過します
コルへの下りも、間ノ岳への登りもガレていてすぐに石が落ちます
自分の前後に人がいないか確認しながら慎重に行動していきましょう
間ノ岳〜天狗の頭
間ノ岳山頂は控えめなペイントで表記されていました
間ノ岳を越えると、岩の色が変わって来ます
面が大きい平な岩が増えて来ます
逆層スラブがあるのもこの区間です
天狗の頭手前に逆走スラブが現れます
間ノ岳から遠目にも確認できる、大きなスラブ帯です
逆走スラブは飛騨側に鎖がついており、そこを進みます
西穂から来る場合は登りになるのであまり難しく無いと思います
鎖もあるので、焦らず慎重に通過しましょう
フリクションは良いです
スラブ帯が終わると、ガレた斜面を登って天狗の頭に着きます
山頂直下のガレ斜面は、ペイントを見失いやすいので気をつけてください
僕は途中、ペイントを見失いました
見失っても焦らず、周りを見渡して少しでも安定する斜面を登ってください
引き返せるなら、わかる箇所まで引き返しましょう
天狗山頂は比較的休めます
かなりボロボロですが、山頂には看板がありました
天狗の頭〜ジャンダルム
天狗の頭を過ぎると、しばらくは岩陵の登下降が続きます
今までと違い、著名なピークを踏むことなく2時間ほど歩きます
書き出せばキリがないほど、イヤな箇所が出て来ます
岩に慣れてくる頃だとは思いますが、丁寧に通過していきましょう
周囲を見渡せば、アルプスの絶景が広がります✨
時々、落ち着ける場所もあります
適度に休憩を入れながら楽しみましょう!
ジャンダルムの頂上へは、飛騨側に巻きながら登ります
西穂から来ると、縦走路上にペイントが見えてくるので迷うことは少ないと思います
レッジをトラバースして回り込み、ガレ場を直登します
少し登ると天使が迎えてくれます🪽
僕の登った時は2人の天使が居ました
滑落した先代に変わり、有志の方が持って来てくれたそうです
ありがとうございます
ジャンダルム山頂は意外に広く、縦走路上で一番落ち着ける場所です
360度の展望が広がり、穂高、槍、笠、常念、焼岳などなど
北アルプス以外の山々も眺めることのできるロケーションです!
頑張ってここまで来た人だけが見れる絶景です✨
ジャンダルム〜奥穂高岳
ジャンダルムから先、奥穂までの間に「ロバの耳」「ウマの背」が連続します
この短い区間が縦走路の核心部と言えます!
まずはロバの耳を通過します
足元の切れた傾斜の強い岩場をクライムダウン
西穂から来る場合ロバの耳は目立たないので、悪い降りを越えているうち
いつの間にかロバの耳を通り過ぎていると思います
写真は、上から見下ろすロバの耳の悪場です
ロバの耳からの登り返し区間は要注意です
ルンゼ場のガレ場で、落石多発地帯です
奥穂から来る人も多く、よく石を落としている場面を見かけます
上下に人がいない時に行動するようにしましょう
ガレ場を登り切ると、ウマの背が見えて来ます
ウマの背というより、ウマのタテガミのようなナイフリッジです
見た目と高度感は怖いですが
近くに寄ると足場があるので難しくは無いです
跨ぐのではなく、足場を見つけて慎重に通過しましょう
ウマの背を過ぎた後も、しばらく細尾根が続きます
奥穂は目の前です!
注意書きの看板を過ぎた後は奥穂山頂に着きます
混雑していることが多いので、通過することが多いです
ジャンダルムルートは人が少ないのも魅力の一つですね✨
この後は、穂高岳山荘に宿泊するのが無難です
僕は北穂まで行きましたが、結構遠かったです 😅
穂高岳山荘で一休みしていきましょう
西穂高〜奥穂高〜槍ヶ岳「ジャンダルム・大キレット縦走!」②へ続く
長くなるので、西穂 – 奥穂縦走でいったん区切ります
次回は、奥穂から北穂への縦走路を紹介します!
「波線でも無いし、一般道だし」
と侮っていた僕ですが、意外と険しく難儀しました 笑
最後に
今一度になりますが
ジャンダルム縦走に挑戦される方
ご自身の体力と技術を十分に高めて、慎重に行って来てください
一般道最難関とも言われるルートですので、何かあった際の避難・救助が困難です
準備をしっかりとして、充実の縦走に臨んでください✨