登山ガイドの試験内容は? 試験内容や問題内容、勉強方法を解説!

この記事では、日本山岳ガイド協会の主催する

登山ガイド試験の筆記について書いて行きます

実際に筆記試験に出た内容

勉強した内容、方法を解説していきます

こんにちは、山男ブロガーのみずきです

まずはやってみる!!!

ということで受けたガイド資格ですが、筆記試験を合格しました

あとは、いくつかの実技検定を受けてすべて合格すれば晴れてガイド認定です!

その過程なんかもブログに載せて

ガイド資格が気になっている人の参考になれば嬉しいです

本題に入ります

今回は、登山ガイドステージⅡ資格の

一次試験(筆記)の内容についてです

僕自身、一番困った点

どんな勉強したらいいの?

何を勉強したらいいの?

といった、皆さんも直面するであろう疑問を解消する手助けになればなと思います

出題範囲

試験は大きく分けて3種類のテキストから出ました

試験要綱にもアナウンスされている通りです

そのテキストが、日本山岳ガイド協会(以下協会)から出版されている以下の教本です

 

・ガイドの基礎的知識教本

・自然,登山ガイドの基礎的知識教本

・山のファーストエイド教本

 

また、同協会から出版されている

 

・雪の安全管理,雪崩対策技術教本

 

からも出題されているようでした

その他、一部教本外からも出題されていました(うるし、毒草に関する内容など)

当日の流れ

試験は年2回(6・11月、東京&大阪)

今回僕は、11/1の試験(東京)に臨みました

当日は四谷駅近くの

主婦会館プラザエフ

というビルに集合、そこから午前科目、午後科目、小論文、解散といった流れです

9:20  集合

10:00〜共通科目:ガイドの基礎的知識

11:00〜共通科目:ガイド業務関連知識

12:00〜 お昼

13:00〜専門科目:登山ガイド専門知識

14:10〜専門科目:安全管理

15:10〜小論文(800字)

小論文含め、各科目50分ずつ

試験は全て選択式

出題内容

試験問題は持ち帰り不可なので、

ここからは僕の覚えている範囲で出題内容を書きます

ガイドの基礎的知識

・標高が100m上がると、世界的には何度気温が下がるか?(温暖湿潤な日本では0.6度)

・国際的な環境に対する取り組み、条約(世界遺産条約、地球サミットなど)

・森林法について(いつ制定、誰のため)

・鳥獣保護法

・保護林の保護対象

・保安林の種類

・ガイドが提供可能なサービス(旅行法、運送法との兼ね合い)

→顧客を自分の車で送っていいか?宿代を含めた料金を提示していいか?など

・ガイド協会の主務官庁は?

ガイドの専門知識

・読図(地図記号、コースガイド)

・天気図

・観天望気

・ロープワーク(1/3引上げとそれに使う主な結び、結びの特徴、使い所 ガイド協会の教本ベースで)

・雪崩の知識(stepsなど)

・植物の垂直分布(花だけで無く、木も覚えておく)

・危険な植物(やまうるし、つたうるし、毒ウツギ、ヒョウタンボクなど ガイド協会の教本には無かったもの)

・熱中症についての知識(重症度別の症状、正しい処置)

・運動生理学(行動中の水分、カロリー、中高年の体力)

・野鳥について(センダイムシクイ、ライチョウ、ヤマセミなど出題 生息地、特徴、鳴き声、聞きなしとか覚えておくと良い )

小論文

・山、ガイドに対する考えを聞かれた(400字以内)

以下から、2つ以上選んで書く

・SDGs

・インバウンド

・登山におけるマナー

あともう一つあったのですが忘れました・・・

以下、小論文の概要です

・400字以内に収めること(原稿用紙2枚)

・50分あるので焦らなくて良い

・書く前にある程度整理してから取り組むと良い

以上が僕が覚えている出題内容です

参考にしたテキスト

まずは、先ほど挙げたガイド協会の出版物

ガイドの基礎的知識教本

自然,登山ガイドの基礎的知識教本

山のファーストエイド教本

雪の安全管理

雪崩対策技術教本

これらに加え、下記試験対策のテキストも入手しておくと良いです

2018 自然ガイド・登山ガイド 職能別ガイド検定試験 筆記試験過去問題集

いずれも、ガイド協会のホームページから注文できます

テスト勉強するにはピッタリで、問題の傾向を知ることができます

知らない知識も、解く過程で勉強にもなります

ただ、これがそのまま出る訳ではありあません。

勉強手段の一つとして考えておきましょう

僕はこの問題集を5周ほどしました

値段も安いので、とりあえず買って損はないと思います

以下リンクが、ガイド協会刊行物のサイトです

直接販売のみ扱っているようです

ガイド協会以外の本

協会の出版ではないですが、個人的に勉強になった本を紹介します

それぞれ、山の知識として広く活用出来るのでおすすめです

高山に咲く花


高山植物が全然わからなかったので

写真と解説付きで学べる図鑑的な本を探してこれを買いました

多様な草花を網羅できます

雪崩教本


言わずも知れた雪崩知識のバイブル的な本

内容が濃く、小難しく感じますが

注意すべき天気から、雪の状態、地形、対策等々包括的に学べます

野外毒本


毒性植物、毒性動物の知識が得られます

教本外からの出題に対応出来たのはこの本のおかげと言っても過言では無いです

内容的にも面白いのでオススメ

山の観天望気


ヤマテンの猪熊さんが監修する本

天気図の見方や雲の種類など

フィールドで必要な情報を学べます

雲の種類と特徴を抑えて、空を見上げれば街中でも観天望気の練習が出来ますよ

山岳気象大全


こちらも猪熊さん監修、山の天気に関する本

より詳しく解説してあります

自分が見やすい方を買えば良いかも

ヤマケイ登山学校シリーズ


各種役立つ情報を絵や写真付きで分かりやすく解説しているシリーズです

山をやるなら持っておきたい

本当に分かりやすいのでオススメです!

沢登りやバックカントリーの本があるのも面白いです

オススメ!山の文学

風雪のビヴァーク


松濤明の山行がまとめられた1冊

日本の黎明期を牽引した登山家の1人

クライマーとしての実力に加え、文学人としての才も感じます

単独行


加藤文太郎の作品

こちらも黎明期を代表する登山家

孤高の登山家としての印象が強いけれど、

読んでみると彼が身近に感じるかもしれません

彼の尋常じゃないタフさに驚きます

日本百名山


山を登っていて知らない人いない

というくらい定番化している「日本百名山」

その山々を選定した著者が深田久弥です

読み物としてとても面白く、その山の景色が目に浮かんできます

などなど

過去問には作品を問われる設問も見受けられたので、目を通しておいて損はないです

それ以前に、面白いので読んでみることをオススメします

有名どころを紹介しましたが、まだまだ面白い本もたくさんあります!

読んだことのない人はぜひ✨

ちなみに

山の文学を読むときは、実際に地図を見ながら読むことをオススメします

この話はどこのことを言っているのだろう?

と地図上で探すと、読図の練習にも良いです✨

実際に今回の試験では山岳文庫の中から抜粋され、

これはどこのことを言っているか?

という問題もありました

勉強方法

僕が受かった勉強方法を紹介します

人によって合う合わないがあるかも知れないので、参考までに聞いてください

過去問を解く

まずは問題に慣れることです

ガイドを目指す人は、それなりに山に慣れ知識もあると思います

ですので、改めてインプットするというより

試験の傾向に慣れる

という方が効率的で

過去問を解く過程で、全然わからない問題も多数あると思います

そう言ったところはあまり気にせず先に進めて

何度も何度も問題を回すのが僕なりの戦術です

間違える→覚える→忘れた頃にまた解く

間違える→覚える→忘れた頃にまた解く

の繰り返しで苦手問題も覚えます

思い出す の段階で人間は物事を覚えるそうですよ

教本を読んで問題をつくる

問題集を何度も回せば飽きてきます

また、同じ問題集だけでは不安です

実際、問題集から丸々出るものはほぼ無いです

そこで、問題集の次のステップとして

ガイド協会から出ている教本を自分で問題にしてしまう

という方法です

実際試験を受けてみて

正直なところ、過去問だけでは不十分でした

過去問にも飽きてきたので、教本を問題化して解いていたのですが

それが功を奏した感じがありました

僕が特に苦手としていた、植物の知識や法令、条例に関する部分

その辺りを重点的に学習しました

反対に読図や天気、ロープワーク、ファーストエイドなどは普段からの知識もあり過去問で事足りる感じでした

各々の得意不得意に合わせ、教本を問題化して行くのが良いです

最後に

冒頭でお伝えしたとおり

基本はガイド協会から出版されている3冊の教本から出題されます

これらを熟読しておけば合格できる試験です

そこに合わせて、今までの山知識を総動員していきましょう

ガイド試験のメインは実技検定ですが

それを受けるためには筆記を合格する必要があります

受験を決めたら余裕を持って勉強していきましょう

勉強といっても、山に関することばかりですので

楽しく学ぶことが出来ると思いますよ♪

近いうちに、同業者として山で一緒になる日を待ってますね♪

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